威勢よく張り上げる父のその声を、毎日のように聞いて私は育ちました。
北海道池田町にあるスーパーマーケット・堀ストアー。
いつも地元の人でにぎわっていて、たまに同級生に万引される、その店の空気が好きでした。
景品でもらった大洋ホエールズのキャップを被って店先に立つ、父の後ろ姿が好きでした。

しかし、上京して仕事に追われる日々をおくっていた頃、両親が夜逃げをしてしまいます。
原因は、大手チェーンの参入による業績不振。
ほどなく父は他界しました。

2021年夏、ふと思い立って数十年ぶりに店を見に行きました。
友人の兼平と加藤を連れて。いまだに買い手がつかず、
あの頃の姿のまま時間が止まっているかのような店の前で、私たちは新しく会社をつくることを決めました。
社名は「スーパーマーケット」。
会社が軌道に乗ったら、堀ストアーを買い戻そうと思っています。

私たちは別々の会社でバラバラな経験を積んできた、プロデューサー３人の会社です。
とはいえ、天下獲ろうぜとか、業界変えちゃおうぜとか、そんなギラギラした野望はありません。

３人がかりで知恵を絞って、３人がかりで頭を悩ませて、３人がかりでワクワクしながら、
おもしろいことを考える人のおもしろいことを実現させたい。
ただ、それだけです。
「今晩なに作ろうかな」と、ふらっと立ち寄るスーパーマーケットのように。
“親近感”と“安心感”と“意外と頼れる感”のある場所になれたらと思っていますので、どうぞご贔屓に。

それでは、みなさまのご来店をお待ちしております。